シワ消しに有効なヒルドイド(ヘパリン)の効果と使用時の注意点
ヒルドイドは手荒れや火傷の時に処方される事の多い軟膏ですが、どちらかと言うと、本来の使用目的よりも美容効果で注目を集めています。何万円もする高価な美容液にも匹敵する効果だというのです。
保湿効果が高い、肌がスベスベになる、シワが目立たなくなった、高級なクリームから卒業したなど、気になる評価がとても多いのも特徴です。なぜヒルドイドで美肌になれると言われているのか、シワ対策として顔に塗っても良いものなのかその働きや効果を見てみましょう。
そもそもヒルドイドってどんなものなの?
皮膚科の常連さんならともかく、ヒルドイドと言われてもいまいちピンと来ない、まったく聞いたことがない方も多いのではないでしょうか。ヒルドイドはヘパリン類似物質という成分で保湿対策で皮膚科でもよく処方されるものです。
ヘパリンとは血栓や血管内の血液凝固を抑制する抗凝固薬の一種で、非常に簡単に表現するなら、血液の流れを良くする作用のある物質です。人の体内、肝臓で生成され、細胞の表面でタンパク質と結合し、細胞の増殖や脂質の代謝にも使われているものなんです。
そんなヘパリンによく似た成分で作られているのがヒルドイドで、軟膏、クリーム、ローション、スプレーなどがあります。ヘパリンは体内で生成されるものですから、ヘパリン類似物質のヒルドイドを顔に使う事自体には問題はありません。
ヒルドイドが美肌に役立つそのワケは?
ヒルドイド(ヘパリン類似物質)は主に血流を良くするためにも有効です。保湿のためになぜ皮膚科で処方され、美容効果で評判になっているのはどうしてでしょうか?
じつはヘパリン類似物質には、血液の凝固を抑える作用の他にも、抗炎症作用や水分を保持する性質があるんです。血液の流れが良くなれば代謝が高まり、元気な肌を作ることができます。
抗炎症作用があるということは、荒れたお肌を癒す作用があるということですよね。水分保持はもちろん、お肌の乾燥を防ぐのに役立ちます。
ヒルドイドは脂質の代謝にも効果があるため、皮脂の分泌量を正常化させ、慢性的な皮脂不足からくる乾燥肌の改善、皮脂の過剰分泌による脂浮きやニキビの予防にもなります。
ヒルドイドでシワが消せるって本当なの?
美容効果が高いという事は納得できても、さすがにシワを消すなんて無理な話のように思えます。たしかにクッキリと深く刻まれてしまったシワをすぐに完全に消すのは難しいかも知れません。
しかし、まだ浅いシワやちりめんジワのように細かいシワ、乾燥が原因のシワなら、ヒルドイドを使うことで早く目立たなくさせることは可能です。そもそもシワというのは、お肌の乾燥やハリ不足により皮膚がたるみ、その圧力から真皮がダメージを受けて刻まれるものです。
代謝が高まり元気な細胞が作られればハリが出て、お肌に水分と皮脂が与えられれば乾燥は防げますよね。そしてヒルドイドは、皮膚への浸透力が非常に優れているんです。
美容成分で有名なコラーゲンやヒアルロン酸は、お肌に塗ってもお肌の表面の角質層で止まってしまいます。でも、ヒルドイドはお肌の奥の基底層の下、真皮にまで浸透するので、すでに刻まれてしまったシワを盛り返すこともできるんです。
シワ対策にヒルドイドを使う時の注意点
高い効果を得たいのであれば、1日2回、ややベタつきが残るくらいの量を目安に塗るようにしましょう。ちなみに必要以上に厚塗りをしても効果は変わりません。
保水効果のある成分ですが、ヒルドイドそのものの水分量はあまりありませんので、化粧水などでしっかりと水分を補う必要があります。ヒルドイドは肌質改善や保湿効果の高いものですが、血液の抗凝固作用があることは忘れてはいけません。
皮膚の薄い目の周りなどはクッションが弱く、ちょっとした圧力でも内出血を起こす恐れがあります。副作用の報告率は0.07%程度と非常に低いものですが、ごくまれに、発疹や肌の痒みと言った過敏症を起こす事があります。少しでも様子がおかしいなと思ったら、すぐに使用を中止しましょう。
ヒルドイドは真皮にまで作用して代謝を高めつつ、保湿作用と皮脂コントロールで肌質を高めるから、シワの予防や軽減に役立つんですね。